債務整理の相談者の方がしばしば悩まれるのが、「債務整理を家族に知られたくない」という点です。
以下、場合分けをしてこの点の説明をしたいと思います。
まず、債務整理のうち、任意整理を行う場合には、基本的に家族に秘密のまま手続きを行うことが可能です。
債権者との交渉窓口は弁護士となり、弁護士から依頼者への連絡も個人名封筒にするなどの方法により、家族に任意整理のことを知られるのを回避することができます。
もっとも、任意整理では債権者への支払い原資の確保が重要となります。
したがって、夫婦など、家計を共にしている同居者がいる場合は、任意整理における支払い原資を確保するため、同居者の協力を得る方が望ましいといえるでしょう。
次に、債務整理のうち、自己破産又は個人再生を行う場合についてご説明します。
自己破産又は個人再生の手続きを行うと、官報という国の発行している機関誌に氏名等が掲載されることになります。
しかしながら、一般人が官報を読むことはないので、官報に掲載されたからといって家族などに知られることはまずありません。
ところが、同居の家族に対しては、通常、自己破産や個人再生のことを話す必要があります。
なぜならば、札幌地方裁判所などの北海道内の裁判所では、自己破産や個人再生の申立てに際して、原則として、同居者の収入や財産に関する資料(源泉徴収票や給与明細、預貯金通帳のコピーなど。)が必要となるからです。
同居しているものの、同居者と完全に家計を別にしている場合など、例外的にこれらの資料が不要となることもありますが、通常は同居者に関する資料が必須となります。
したがって、これらの資料の提出について、同居者の協力が必要となるため、同居の家族に話さないまま自己破産や個人再生の手続きを進めるのは困難となります。
また、自己破産の手続きにおいて破産管財人が選任された場合、破産管財人による自宅訪問がなされることが多いため、これによって同居の家族に知られる可能性もあります。
同居していない家族に対しては、基本的に自己破産や個人再生のことが知られることはありませんが、その親族からお金を借りている場合は、債権者の一人となることから、原則として他の債権者と同様にその親族に対して債務整理の通知を送る必要があります。
以上のとおり、家族に知られずに債務整理を行うことができる場合とできない場合があります。
全国的に見ると、同居の家族の資料が不要な裁判所もありますが、札幌地方裁判所では原則としてこれらの資料が必要となります。
以前のブログ記事でも説明しましたが、自己破産や個人再生の手続きの運用は裁判所によって異なりますので、札幌で手続きを行う場合には、札幌地方裁判所の運用に精通した弁護士に依頼する方が良いといえます。
当事務所の弁護士は、北海道内、特に札幌地方裁判所での自己破産・個人再生の手続きについて豊富な経験・実績を有しております。
北海道内にお住まいで債務整理を検討されている方は、まずは当事務所へご相談下さい。