ここでは、消費者金融と過払いについての理論を説明します。債務整理の参考にしていただければと思います。なお、現在はほぼすべてのサラ金業者・クレジットカード会社が法律以内の利息で貸し付けを行っています。そのため、2010年の貸金業法改正以降の借入については過払い金発生の可能性は少ないこと、2020年の民法改正によって過払い金の消滅時効の可能性が高まっていることをご了承ください。
このページの目次
1 利息制限法について
利息制限法とは、法律上とってよい利息の上限を定めた法律です。
利息制限法においては、第1条において、上限利息は以下のように定められています。
- 元本の額が10万円未満の場合 年2割
- 元本の額が10万円以上100万円未満の場合 年1割8分
- 元本の額が100万円以上の場合 年1割5分
2 実際の消費者金融の利率について
2010年の貸金業法改正前は、実際の消費者金融の利率は、上記利息制限法の利率を超えている場合がほとんどでした。これは、利息制限法に違反をしたとしても罰則がなく、刑事上の処分・行政上の処分を受けることがなかったためと考えられています。
簡単な言い方をすると、「警察に捕まらなければよいや」というような感覚です。
もちろん、消費者金融側には消費者金融側の言い分がありました。これが「みなし弁済」という規定です。(旧貸金業の規制に関する法律、通称貸金業法)この規定によれば、一定の基準を満たした場合、利息制限法以上の利率を消費者金融が取得できるという規定になっていたのです。
3 消費者金融と過払いをめぐる多数の裁判について
この、「みなし弁済」の規定の適用をめぐって、長年にわたって多数の裁判が繰り広げられてきました。この間、消費者金融各社は「みなし弁済」の規定を根拠として、過払い金の返金を拒んできたのです。しかし、最高裁判所の判決によって、払い過ぎの利息は消費者へ返さなければならない、という判断が出ました。これによって過払い金の請求が認められることになったのです。
4 みなし弁済規定の廃止
現在では、みなし弁済の規定は徐々に廃止されています。そのため、消費者金融各社は、みなし弁済規定を根拠として、過払い金の返金を拒むことはできなくなったため、一斉に利息を法律以内に引き下げました。そのため、2010年以降の新たな借入については過払い金が発生する可能性は少ないのが実情です。
5 消費者金融に対する過払い請求の方法について
以下において、当事務所における、消費者金融各社に対する過払い金の請求手続きの流れ、債務整理の流れについて解説します。
ご来所いただいてのご相談(初回は無料です。)
債務の状況・消費者金融に対する過払い金が発生するかどうかについての打ち合わせ
消費者金融に対する債務整理の受任通知の発送
消費者金融からの過去の取引の履歴の返送
利息制限法に照らして過払い金が発生するかどうかについての引き直し計算(当事務所にて)
過払い金が発生した場合、消費者金融に対する過払い金の請求
消費者金融との過払い金についての和解又は消費者金融に対する過払い金返還請求訴訟の提起
和解または判決
消費者金融からの過払いの金銭の返金
皆様へのご返金・債務整理の終了
ここでは、消費者金融と過払いの金銭について主として法律上の説明を中心に解説しました。実際の手続きをするためには、理論だけではなく、実際の取扱い件数が多いことも重要です。なお、2010年の貸金業法の改正、2020年の民法改正によって、過払い金が請求できるケースは少なくなっています。そのような場合でも、任意整理、個人再生、自己破産によって皆さんの借金問題を解決することができます。過払い金の請求だけでなく、借金問題にお困りの方は、債務整理について弁護士等の専門家にご相談下さい。