ご依頼者からよくいただくご質問をまとめております。できる限り、専門用語を使わず、わかりやすい言葉で書いてありますので、詳しい詳細等が知りたい方はお問合わせ下さい。
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Q. 破産とは何ですか?
A. 破産とは、「借金がなくなる代わりに財産もなくなる制度です。」(実際は、財産の全てがなくなるわけではありません。財産の種類等によっても異なりますが、20万円以下の財産は破産をしてもそのまま持っていることができる場合が多いです。
Q. 借金の総額がいくら位だと破産できるのでしょうか?
A. 破産が認められるためには「支払不能の状態にあること」が必要です。これはケース・バイ・ケースの判断になりますので一律には決めることはできません。100万円から200万円くらいの借金の額であっても破産が認められることもあります。
Q. ギャンブルによる借金でも破産できますか?
A. ギャンブルによる借金がある場合には、破産(免責)ができない場合があります。(免責不許可事由)
ただし、借金に占めるギャンブルの割合が少なかったり、今後ギャンブルをしないということを裁判所にきちんと認めてもらえた場合には、破産(免責)の手続きをすることは可能です。ギャンブルによる借金がある場合には弁護士等の専門家にご相談された方がよいでしょう。
Q. 破産手続きが全て終了するまでにどのくらい時間がかかりますか?
A. ご依頼いただいてから破産手続きが終了するまでには3ヶ月~6ヶ月くらいの期間がかかります。具体的には裁判所に申立をするまでの書類の準備期間(1ヶ月から2ヶ月位)、裁判所に申立をしてから最終的な免責決定を得るまでの期間(2ヶ月から4ヶ月位)がかかります。
Q. 破産した人の保証人になっているのですが?
A. お金を借りていた人が破産をした場合、保証人(連帯保証人)に請求がいくこととなります。破産の手続きはあくまで個人個人で別のため、お金を借りていた人が破産したとしても、保証人の責任(債務・借金)はなくなりません。
保証人の方は独自に債務の整理のための方法を検討した方がよいでしょう。特に保証人の方が土地建物等の財産を持っている場合には事情が複雑になることも多いので、弁護士等の専門家にご相談された方がよいでしょう。
Q. 過去に自己破産したことがあるのですが、もう一度自己破産できますか?
A. 過去に自己破産をしたことがあるとしても、もう一度破産をすることは可能です。ただし、過去の破産手続きが終わった後7年間は再度の免責は原則として認められません。もっとも、裁判所の裁量で免責が再度認められる可能性もありますので、過去に破産をしたことがある方の再度の手続きは弁護士等の専門家にご相談された方がよいでしょう。
Q. 自己破産をした場合、電気・ガス・電話などは使えますか?
A. 自己破産をした場合であっても、電気・ガス・電話などを使用することは可能です。ただし、自己破産の申立後に新たに滞納をした場合には、未払いを理由に電気・ガス・電話などが止められてしまう場合がありますので注意が必要です。
Q. 自己破産をした場合、借りていたマンション・アパートを追い出されますか?
A. 自己破産をした場合、借りていたマンション・アパートから出て行く必要はありません。ただし、家賃の滞納がある場合にはその滞納を理由として契約を解除されてしまうことがありますので注意が必要です。
Q. 自己破産をした場合、生活保護は打ち切られますか?
A. 自己破産をしたからといって生活保護を打ち切られることはありません。また、生活保護の受給権自体が差押えされることもありません。
Q. 自己破産をした場合、銀行口座が使用できなくなりますか?
A. 自己破産をした場合、銀行口座が使用できなくなることはありません。また、新しい銀行口座を作ることも可能です。ただし、銀行口座がある銀行から借り入れをしている場合、銀行口座に入金された金銭の引き出しができなくなることもあります。
Q. 自己破産をした場合、自動車を手放す必要がありますか?
A. 自動車のローンがまだ残っている場合には、原則として自動車を手放す必要があります。自動車のローンが残っていない場合で自動車の時価が20万円未満の場合であれば、そのまま自動車を使用し続けることが可能です。自動車のローンが残っていない場合で自動車の時価が20万円以上の場合には、原則として自動車を手放す必要があります。
自動車につきましては、処分する方法、処分しない方法につきまして色々な方法がありますので、詳細は弁護士等の専門家にご相談下さい。
Q. 自己破産をした場合、滞納している税金の支払いはどうなりますか?
A. 自己破産をした場合、普通の借金はなくなりますが、税金は自己破産をしてもなくなりません。そのため、税金については、税務署・市役所等と相談の上、今後の支払計画を決める必要があります。
Q. 自己破産をした場合、滞納している年金・健康保険の支払いはどうなりますか?
A. 自己破産をした場合、普通の借金はなくなりますが、年金・健康保険関係の支払義務は自己破産をしてもなくなりません。そのため、社会保険事務所等と相談の上、今後の支払計画を決める必要があります。
Q. 夫が借金を残して死亡した場合はどうなるのでしょうか?
A. 夫が死亡した場合、妻や子供は法律で決められた割合で夫の借金を相続します。借金を相続したくない場合には相続放棄という手続きを裁判所でする必要があります。(ただし、相続放棄は原則として、夫が死亡した後、3ヶ月以内に行う必要があります。3ヶ月経過してしまっている場合でも相続放棄が可能な場合はありますので、詳細は弁護士等の専門家にご相談下さい。)
Q. 自己破産しても退職金はもらえますか?
A. 破産手続きが開始された段階で、既に退職している場合、通常、退職金は裁判所経由で業者に分配されることとなります。この場合退職金をもらうことはできません。
破産手続きが開始された段階で、まだ退職していない場合には、退職金の8分の1の金額を裁判所経由で業者に分配する扱いを行っている裁判所が多いです。(ただし、退職金の金額が160万円以下の場合には、業者に分配する必要がない扱いをしている裁判所が多いです。)
裁判所によって退職金の扱いが異なることもありますので、事前に、申立予定の裁判所のことに詳しい弁護士等の専門家にご相談下さい。)
Q. 自己破産すると子供に影響はありますか?
A. 自己破産手続きはあくまで個々人ごとの手続きです。そのため、自己破産の事実が子供に不利益に働くことは特段の事情がない限りないでしょう。
Q. 自己破産すると離婚後の「養育費」はどうなるのでしょうか?
A. 離婚した場合、子供を育てる側(母親側が多いです)は養育費を請求することができます。自己破産したとしてもこのような養育費の支払い義務・権利はなくなりません。
Q. 自己破産すると生命保険を解約しなければならないのでしょうか。
A. 自己破産した場合、生命保険を解約した場合に返ってくる金銭が20万円以下の場合には、生命保険を解約する必要がない場合が多いです。(ただし、取扱は裁判所によって異なる可能性があります。)
他方、返ってくる金銭が20万円以上の場合には生命保険を解約して、裁判所にそのお金を預けた上で、破産管財人(裁判所)が債権者(業者)に平等に返済することとなります。
ただし、生命保険を解約したくない特別の事情がある場合には、解約する必要がない場合もあります。この場合は、解約した場合に返金される金額に相当する額を破産管財人に渡して、そのお金を破産管財人(裁判所)が債権者(業者)に平等に返済することとなります。
Q. 貸金業者から、「借金を返さないと詐欺罪で告訴する」と言われたのですが?
A. 最初から返すつもりがないのに返すつもりであることを装って借金をした場合は詐欺罪に該当する可能性があります。
他方、返すつもりでした借金が結果的に返せなくなったという場合には詐欺罪にはなりません。
Q. 家族の借金を肩代わりして支払うよう貸金業者に要求されたのですが?
A. 借金はあくまで個々人ごとに支払義務があります。そのため、家族や親戚の借金であっても、借りた本人でない場合には支払う義務は特段の事情がない限りありません。ただし、ご家族・ご親戚が保証人・連帯保証人になっていた場合には支払義務がありますので注意が必要です。
Q. 自己破産しなくても夜逃げすると借金をなくすことはできますか?
A. 借金問題を解決する際に、一番してはいけないことは夜逃げです。(またはそのまま放置しておくことです。)仮に一時的に逃げたとしても、住民票を取得することやその他の方法を使って、貸金業者は居所を探し出してきます。弁護士等法律の専門家にご相談いただくのが一番よい解決法です。
Q. 破産すると家財道具はどうなりますか?
A. 特別豪華な家財道具を持っている方でない限り、破産手続きをしても家財道具はそのまま使用していても大丈夫です。
ここでは、債務整理の方法のうち、「自己破産」についてのQ&Aを解説しました。