今回は、債務整理を弁護士に依頼した後、どのように手続きが進んでいくかを説明したいと思います。
債務整理には大きく分けて、任意整理、個人再生、自己破産の3つの方法があります。
いずれの場合も、依頼後、まずは弁護士から各債権者に対して受任通知を発送します。
受任通知とは、弁護士が依頼者から債務整理を受任したことを各債権者に知らせる通知です。
債務整理開始後は、債権者に対する返済を一切止めてもらうことになります。
なお、任意整理を行う場合、残額が少額などの理由により依頼対象外となった債権者に対しては、受任通知の発送を行わず、依頼者自身で返済を行ってもらいます。
受任通知によって各債権者に債務整理を知らせると同時に、債権届出や取引履歴の発送を依頼します。
これまでの取引履歴が債権者から開示され、法定利率を超える利息の支払いが過去にあった場合は、法定利率に従った正しい計算を当事務所で行います(これを引き直し計算といいます)。
引き直し計算を行い、過払い金が発生していた場合は、業者に対して過払い金の請求を行います。
債権届出等を経て債務総額が確定した後、任意整理の方針の場合は、各債権者との間で和解交渉を行います。
依頼者が支払可能な支払計画を立て、利息カットなどの交渉も行い、各債権者との間で和解を成立させます。
無事に債権者との間で和解が成立した後は、依頼者自身がしっかりと家計を管理しながら支払を行っていくことになります。
債務総額が確定した後、自己破産や個人再生の方針の場合は、資料収集や打ち合わせなどの申立てに向けた準備を進めていきます。
この申立準備においては依頼者のご協力が必須であり、準備に協力頂けなかったり、連絡がとれない状況が続いたりすると、辞任手続きを取らざるを得ないこともあります。
無事に申立準備が整った後は、裁判所へ自己破産あるいは個人再生の申立てを行います。
自己破産の申立てを行った場合、管財人弁護士による調査が行われる管財事件か、管財人弁護士が選任されない同時廃止事件となるかが決定されます。
管財事件となった場合、依頼者は管財人弁護士の事務所で打ち合わせを行う必要がある他、裁判所で開かれる債権者集会に出席する必要があります。
同時廃止事件となる場合は、このような対応の必要はありませんが、補充説明や資料追加提出、裁判官との面談を行う場合があります。
自己破産では、配当手続き等を経て、最終的に免責に関する決定が出ることとなりますが、免責許可決定が無事になされ、これが確定すると、事件は終了となります。
個人再生の申立てを行った場合、補充説明や資料追加提出などを行い、無事に再生手続の開始決定がなされた後は、履行テストという積み立てを行うこととなります。
再生計画で支払うこととなる金額の3回分程度をテストとして積み立てるのです。
そして、(小規模個人再生の場合)債権者からの異議申述期間などを経て、再生計画を認可する決定がなされ、これが確定すれば、事件は終了となります。
もっとも、自己破産とは異なり、その後も再生計画に従って毎月全債権者に支払いをしていく必要がありますので、依頼者にとっては終了ではなく、支払いのスタートということになります。
なお、個人再生の申立て後、まれに再生委員という弁護士による調査がなされることがあります。再生委員が選任された場合、20万円程度の予納金を裁判所に納める必要があります。
債務整理依頼後の流れは、大まかには以上のとおりとなります。
当事務所では、弁護士が依頼者のお話を直接伺い、最適な債務整理の方法をアドバイスさせて頂きます。
債務整理全般について対応しておりますので、安心してご相談下さい。