債務整理は、多重債務に悩む方が経済的な再出発を図るための手続きですが、年金を受給している方にとっては、その影響が気になるところです。この記事では、債務整理が年金受給者にどのような影響を与えるのかについて詳しく解説します。
このページの目次
1. 年金は差し押さえの対象になる?
まず、年金は「生活を支えるための収入」として法律で一定の保護がされています。具体的には、以下のような年金は原則として差し押さえの対象になりません。
-
国民年金
-
厚生年金
-
共済年金
これにより、債務整理の手続きを進めたとしても、基本的に年金の支給が停止されたり、差し押さえられたりすることはありません。
ただし、年金が銀行口座に入金されて預金となった場合は、預金口座は差し押さえられるリスクがあるので注意が必要です。
いま、借金の滞納が続いている方は早めに法律の専門家に相談することをお勧めします。
2. 債務整理の種類と年金への影響
債務整理には主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類があり、それぞれの影響を見ていきましょう。
「任意整理」
任意整理は、弁護士や司法書士が債権者と交渉し、返済額や利息の減額を目指す手続きです。この場合、年金受給には影響がなく、通常通り受け取ることができます。
「個人再生」
個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減額し、3~5年の分割払いで返済する手続きです。自己破産とは異なり、財産を失わずに済むため、持ち家を維持したい年金受給者にとって有利な選択肢となることがあります。年金の受給に関しても影響はありません。
「自己破産」
自己破産をすると、原則としてすべての借金が免責されますが、資産が一定額以上ある場合は、手続きの過程で処分される可能性があります。ただし、前述のとおり年金自体は差し押さえの対象外なので、生活費としての年金受給には影響しません。
3. 年金受給者が債務整理を検討する際の注意点
債務整理を進める際には、以下の点に注意が必要です。
-
返済計画の現実性:年金のみで生活している場合、無理のない返済計画を立てることが重要です。
-
保証人への影響:保証人がいる場合、その人に返済義務が移る可能性があるため、事前に確認しましょう。
-
金融機関との取引制限:債務整理をすると、信用情報に事故情報が記録され、新たな借入れが難しくなるため、計画的に手続きを進める必要があります。
まとめ
債務整理をしても、年金自体が止まることはなく、基本的に安心して生活を続けることができます。ただし、どの手続きを選ぶかによって影響が異なるため、自身の状況に合った方法を選ぶことが大切です。債務整理を検討している年金受給者の方は、専門家に相談しながら適切な対応を進めましょう。
当事務所では、年金受給者の方の債務整理についても無料相談を受け付けています。お気軽にお問い合わせください。
法律相談は事前予約制・初回無料となっております。
お電話(011-281-4511)、WEBフォームからご予約をお願いします。